COSMO-NEXT COMPANY

コラム

第140話:「“小さな成功体験”が、組織を動かす」
〜大きな成果は、“小さな手応え”から始まる〜

「やる気がないわけじゃない。でも、なかなか前に進まない」
「指示は出しているのに、現場が動かない」
そう悩む経営者・マネージャーは多くいます。

その理由はシンプルです。
人も組織も、“できた”という感覚がないと、次の一歩が踏み出せない。

◆ 結果よりも、まず“実感”
 「売上を2倍に!」
 「新規顧客を月100人!」
 確かに大切な目標ですが、現場のスタッフからすると「遠すぎて現実味がない」ことも。
 まず必要なのは、“手が届く成功体験”です。

◆ 小さな成功が持つ3つの力
 ① 行動を継続させる原動力になる
  「やったらうまくいった」があれば、人はもう一度動こうとします。
  成功体験は、最も効果的な“次の行動の燃料”です。
 ② 自己効力感が高まる
  自分の行動が組織や結果に影響を与えた――この実感が、働く人の自信になります。
 ③ チームに前向きな空気を生む
  1人の成功体験は、周囲への刺激となり、良い行動の“連鎖反応”を起こします。

◆ 成功体験を“設計”するコツ
 ・初めから“完璧”を求めない
 ・評価基準を「挑戦」「改善」に置く
 ・成果を“見える化”して皆で共有する
 ・小さな改善も「成功」として扱う
 ・必ず「承認」する
 成功体験は偶然ではなく、“つくるもの”です。

◆ 事例:改善報告カード制度で生まれた変化
 ある中小企業では、社員が日々の業務改善を報告する「ミニ成功カード」を導入。
 内容は些細なものでもOK。
 「レジ袋の補充場所を変えた」「声かけの言い方を変えた」など、実行できた行動を週1回集め、朝礼で共有。
 結果:
 ・自己発信が増加
 ・成果に対する“気づき”が高まる
 ・「改善は特別なことではなく、日常だ」という文化が定着

◆ まとめ:大きな成果は、小さな成功の積み重ね
 経営とは、「できることを積み重ねる力学」です。
 すぐに大きな改革ができなくても、目の前の一歩を“成果として認める”姿勢が、
 やがて会社の風土を変えます。
 「できたことに目を向ける組織」は、自然と「もっとできることを探す組織」になる。